電通ベンチャーズ2号ファンドを組成しました

電通ベンチャーズ2号ファンドを立ち上げ、運用を開始していくことになりました。

2015年に立ち上げた1号ファンドでは、ミレニアル世代向けのニュース動画制作・配信を行うCheddar、独自開発のシリコンウエハーにより効率的なDNA合成サービスを提供するTwist Bioscience、3Dアバター自動生成プラットフォームを提供するLoom.ai、DNA配列情報の読み取り技術を用いがんの早期発見に向けた血液検査手法を開発するGrail、子ども向けのプログラミング学習プラットフォームを提供するTynker、オンライン購入後の配送や返品にフォーカスし顧客体験を向上させるサービスを提供するNarvarなど、海外を中心にこれまで40社を超えるスタートアップに投資をさせていただき、電通グループのリソースを活用した幅広い事業支援を行ってきました。投資先企業の日本進出や大型のIPO/M&Aなど、ファンドとしての実績は着実に積み重ねてきてはおりますが、いまだ絶え間ない改善・進化の途上にあるこの取り組みを延長し、更なるチャレンジを続けていくことになります。

2号ファンドでは、“Create Value. Create the Future.”を理念に掲げました。Give Firstを徹底し、世の中の価値の総量を増やすValue Creationに全力を注ぐこと。様々なプレイヤーにより有機的に構成されるエコシステムの中で、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ならでは、電通ベンチャーズならではの役割を正しく自覚し、スタートアップと大企業の共創関係を進化させていくこと。そうすることで、起業家がより良い未来を作り出していくことを徹底的にサポートすること。1号ファンドで得た知見や反省を活かし、様々な方々からのフィードバックを大切にしながら、次世代のCVCをアジャイルにプロトタイピングし続けていく覚悟で取り組んでいければと思っています。改めましてよろしくお願いいたします。

こちらのNewsのコーナーでは、ファンド業務のアップデートに加え、CVC運営やスタートアップと大企業の共創に関わるトピックをお伝えしてまいります。広くオープンイノベーションに興味のある起業家や事業会社の方々を主な対象として、少しでも参考となるような情報をお届けし、スタートアップ関連業界の発展に貢献できればと思っています。

初回となる今回は、電通ベンチャーズの特徴をご紹介します。

Dentsu Venturesロゴ Dentsu Venturesロゴ
電通ベンチャーズのロゴ。スタートアップが向かっていく未知の大海原をメインにし、私たちはあくまでそのサポート役であるという主張を込めて

電通では比較的早いタイミングから、様々な形でCVC活動を行ってきました。2000年に始めた電通ドットコムファンドを嚆矢とし、2010年には電通デジタルファンドを設置。様々な素晴らしいスタートアップ企業に出資を行い、協業もさせていただきました。「継続的な取り組みこそがCVCの鍵である」とはよく言われることではありますが、これまで先人たちが引き継いできたバトンを更に進化させて未来に繋ぐことを意識しながら、2015年に電通ベンチャーズは設立されました。

電通ベンチャーズの特徴は、大きく「グローバル」「幅広い事業支援」「顧客ネットワーク」という三つのキーワードで説明できます。

グローバルでの投資

1点目は、グローバルに投資をし、事業共創に取り組んでいるCVCであること。

電通グループ連結の売上総利益における海外事業構成比が50%を超えたという2015年のタイミングで、「世界中の投資機会を幅広く見ていこう」という野心的な方針でファンド運用を始めました。技術やビジネスモデルの革新性、Exitオプションの多様性や確度をフラットに判断してきた結果、これまでの投資先の多くが米国で、その他日本、インドというポートフォリオバランスになっています。また海外の多くの投資先が、Sequoia CapitalやAndreessen Horowitzなど、海外有力VCとの協調投資となっているのが特徴です。

投資先に対しては、グローバルな事業開発リソースを活用し、各地域のニーズに応じたサポートを行なっています。また特に日本進出を目論む海外スタートアップからは、電通グループと組むことで初期の事業/組織設計やPR/マーケティングのサポートを得られることに加え、後述する顧客ネットワーク等を通し、その先の本格的なビジネス展開のパートナー探しも可能であることが評価されています。

新市場に片足を踏み入れて様子を見つつ、同時に本格進出の際のパートナー/戦略シナリオを複数かつ具体的に検討できること。電通グループならではともいえるこのような提供価値を、今後も強化/進化させていく予定です。

なお、以上のようなグローバル投資を通じて獲得できる先進事例の知見や俯瞰的な視点は、日本のスタートアップに対するサポートでも大いに価値を持つと考えています。電通ベンチャーズとしては引き続きグローバル投資を強みにしつつも、今後はそのような知見を活用した日本案件への投資および事業共創へも、より一層注力していく計画です。

1号ファンドでは、海外を中心に40社を超えるスタートアップに出資。海外有力VCとの協調投資が多いことが特徴

電通グループのリソースを活用した投資先支援

2点目は、電通グループの事業開発リソースを活用した投資先サポート。

電通ベンチャーズでは、電通グループ全体のR&D統括組織である電通イノベーションイニシアティブをハブとし、グローバルな事業開発リソースとも連携を図りながら、事業パートナー開発、共同セールス、市場検証、新規事業アイディエーションやプロダクトデザインのサポートなど、投資先のニーズに応じた多岐に渡る事業支援/事業共創を行なっています。

通常、CVCの投資先サポートとは、自社のバリューチェーンとの接続を前提としたものが多く、自社がスタートアップの顧客になるか、あるいは自社のユーザー/顧客をスタートアップに送客することが中心になるかと思います。

しかし、電通ベンチャーズではそうした正攻法に加えて、より右脳的なクリエイティブジャンプを提供することで、非連続な価値創造をサポートすることも心がけています。合理的な最適化だけではどうしてもすくい切れない、個別具体的で人間的なもの。その周辺にある、テクノロジーと人との新たな共存関係。そのあたりも常に意識しながら、イノベーションを生むプロセス自体の多様化にもチャレンジしていければと思っています。

顧客ネットワークを通した共創

3点目は、幅広く良質な顧客ネットワーク。

電通グループでは、全世界145を超える国や地域で働く64,000人以上の従業員が、11,000社以上の顧客企業とビジネスを行っています。このネットワークを通して電通ベンチャーズでもさまざまな顧客企業と関係を構築させていただいており、また具体的なオープンイノベーションの相談をいただくこともあります。私たちは、そのような顧客のニーズとスタートアップの力を繋ぎ、そこに電通グループのリソースも加えて、戦略の実行に至るまで徹底的にサポートを行っています。

今後ますますインターネットがリアルの世界に染み出し、様々な産業のデジタルトランスフォーメーションが本格化するにつれ、大企業とスタートアップの連携はより本質的なものになっていくでしょう。私たちは業界をまたいだ多様なステークホルダーとの協調/連携に積極的に取り組み、CVCならではの長期的/大局的な価値創造を追求することで、この動きの加速化に貢献していければと考えています。

次回からは、2号ファンドの投資方針や投資先との取り組み事例、CVC運営に関わるラーニング、グローバルのスタートアップトレンド等を、より具体的にお伝えしてまいります。

笹本康太郎 Managing Partner @ Dentsu Ventures

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